「婦好」は文献の記載により判明した中国最古の女性将軍、商王武丁の三人の 正妻の一人で、最も才能があり、寵愛を受けていた。1976年に発見された婦好墓は、考古学発見の中でも極めて重要な発見の一つとされ、全国的にもその名が知られている。また、殷墟の科学的発掘が始まって以来、盗掘にあっておらず唯一完全なまま残されていた商王室の王族の陵墓である。大きさは、南北に長さ5.6メートル、東西に幅4メートル、深さ7.5メートル。墓の上には、「母辛宗」と呼ばれる位牌が祭られている享堂がある。婦好墓からは精巧な細工の副葬品1928点が出土。それらは、青銅器468点、玉器755点、骨器564点、武器、道具、楽器などである。中には、三聯、偶方彝、?尊、司母辛四足?など、初めて出土された貴重なものが多数。また、貨幣の?6800枚余り、殉葬された人骨16体も発掘。このようなおびただしい副葬品は、種類が多く、新奇な造型と巧みな技術を使っていて、国宝級とも言え、商の時代の高度に発達した手工業の技術レベルを示している。
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